pekopon001’s diary

はてなダイアリーから移管。ほぼ買い物メモですが…

足掛け20年

ARIELの第20巻を読了。発売日は04年1月となっているので、えーっと…買ってから2年以上も放置していたことになります(笑)。まあ仕方がないか。読んでいない本は、まだ50冊以上あるし。どーしよ。
普通の人よりも本を読むスピードが遅いので、読むペースが買うペースについていけないのよ。速読できる人ってうらやましいッス。


で、ARIEL。もともと連載小説という形式で始まった、この巨大美少女ロボット小説ですが、その連載第1回が1986年とクレジットされております。およそ20年も前の話です。
著者の笹本祐一氏によれば「既存のロボットアニメの逆手を取った」という通り、地球の平和を守る(はずの)ロボットは激弱っ、それに乗る主人公たちは素人で、かつ、よくあるニュータイプ的な能力なんぞ一切ないため、攻めてくる宇宙人には為す術もないと、アニメだったら、子どもたちは激怒して見向きもしなくなるような設定だったわけで。
当初「4クール52話。テレビアニメ1年分に換算」というコンセプトで進めていた話ですが、途中で掲載紙が休刊。そのままお蔵入り?の危機を乗り越え、書き下ろしという形で再スタート。以後、およそ1年1冊のペースで刊行されることになります。


連載当初、ドタバタコメディ的要素の強かったこの作品は、中盤以降(書き下ろしになってからは特に)、それぞれのキャラクターを掘り下げた、ディテールの細かいSF小説へと変化していきます。話によっては、ロボットが全然出てこないってーのもあったな。ロボット小説なのに(笑)。


笹本作品の特徴として「遅々として話が進まない」「説明がクドイと感じるほど丁寧」「刊行ペースが遅い」というのが挙げられますが、いわゆる最終クール・40話〜52話までの、展開の遅いこと遅いこと。どこかの種死の脚本家だったら、ポイッっと放り投げておしまい(笑)にしてしまうところを、最終話ラストシーンまでしっかりと着地させております。
終盤の展開から察するに、ああなるほど、ラストシーンはそうなるよね、と個人的には納得のいく最終回になりました。
これから先、番外編の刊行は続くようですが(買ったけど、まだ読んでない…)、足掛け20年におよぶ大長編は、ここに幕を下ろすことになります。


私がARIELを読み始めたのが、確か中学生の頃。学校の図書室にあった文庫を読み始めたのがきっかけでした。それから、あー、十数年弱。物語の中の人物たちは、3〜4歳しか年をとっていないのに、現実の我々はその数倍も年齢を重ねてしまいました。
読み始めたころは和美ちゃんよりも年下だったのに、最後はみゃあちゃん先生よりもはるかに年上になっちまったからなぁ。


ま、上には上がいるもので、宇宙英雄ローダンのシリーズを読んでいる人などは、何年読み続けているのやらって感じですが。いま何冊出ているんだ?私の記憶では、300巻!をとうに超えていたはずだ。


物語には終わりがある−いや、終わら(れ)ない物語もあるけれど。私の10代〜20代をともにした作品・ARIEL。とりあえず墓まで持っていくもののひとつ。あぁ、終わったら終わったで寂しいんだよね…。